相続税の申告が必要ないケースとは?基礎控除以下でも注意すべき点

  • 公開日:2026.08.16
  • 更新日:2026.08.16
執筆者

吉原 武志

よしはら たけし

  • 3級ファイナンシャル・プランニング技能士

【専門分野・得意分野】生命保険・ライフプランニング
【自己紹介】業界歴14年の経験を活かし、お客様お一人おひとりの生活環境や将来のご希望を丁寧に伺い、寄り添った提案をいたします。

【所属会社名】株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ
https://www.kamakura-life.co.jp/

相続税の申告が必要ないケースとは?基礎控除以下でも注意すべき点

相続税の申告が必要かどうかは、遺産の総額が「基礎控除額」を上回るか下回るかで決まります。
多くの場合は基礎控除額以下に収まり申告は不要ですが、納税額が0円でも特例を適用するためには申告が必須となるケースもあり注意が必要です。
この記事では、相続税の申告が不要になる具体的な条件や、申告が必要になる場合の注意点について解説します。

【この記事でわかること】
・ 相続税の申告が不要になる基本的な条件
・ 納税額が0円でも申告が必須となる特例の存在
・ 遺産総額の計算に含めるべき財産の種類
・ 申告義務を怠った場合に課されるペナルティ

相続税の申告が不要になるのは「基礎控除額」を下回る場合

相続税の申告が不要となる最も一般的な理由は、相続する遺産の総額が「基礎控除額」という非課税枠を下回る場合です。
国税庁の統計によれば、亡くなった人のうち相続税の課税対象となるのは1割未満であり、多くのケースでは申告なしで手続きが完了します。
遺産の総額がこの基礎控除額の範囲内であれば、相続税はかからず、税務署への申告も原則として必要ありません。
相続税の基礎控除については「相続税の基礎控除とは?計算方法と「申告が必要なボーダーライン」の判断基準」で詳しく紹介しています。

自分でできる!基礎控除額の計算方法【法定相続人の数で変わる】

基礎控除額は、以下の計算式で算出できます。
3,000万円+(600万円×法定相続人の数
法定相続人とは、民法で定められた遺産を相続する権利を持つ人のことで、通常は配偶者や子、親などが該当します。

例えば、法定相続人が配偶者と子2人の合計3人だった場合、基礎控除額は3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円となります。
この金額を遺産の総額が下回っていれば、相続税の申告は必要ありません。

【要注意】納税額が0円でも相続税の申告が必要になる特例

遺産総額が基礎控除額を超えていても、特定の特例を適用することで相続税の納税額が0円になる場合があります。
しかし、これらの特例の適用を受けるためには、納税額がゼロであっても相続税の申告が必要です。
申告を忘れると特例が適用されず、後から追徴課税される可能性があるため注意しなくてはなりません。

代表的な特例には「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」があります。

「配偶者の税額軽減」を適用して納税額が0円になるケース

「配偶者の税額軽減」とは、配偶者が相続した遺産のうち、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額まで相続税がかからない制度です。
この特例により、多くのケースで配偶者の納税額は0円になります。

ただし、この軽減措置を受けるためには、税額がゼロでも相続税の申告期限内に申告する必要があるため、手続きを忘れないようにしましょう。

「小規模宅地等の特例」で土地の評価額を下げて納税額が0円になるケース

「小規模宅地等の特例」は、被相続人が居住していた宅地や事業用の宅地などを相続した場合に、その土地の評価額を最大で80%減額できる制度です。
この特例を適用した結果、遺産総額が基礎控除額を下回り、納税額が0円になることがあります。
この場合も「配偶者の税額軽減」と同様に、特例の適用を受けるためには相続税の申告が必須です。
小規模宅地等の特例については「小規模宅地等の特例とは?相続税が8割減になる適用要件をわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。

申告不要の判断を誤る原因に!遺産総額に含めるべき財産

相続税の申告が不要かどうかを判断する際、遺産総額の計算を誤ってしまうケースがあります。
預貯金や不動産といった分かりやすい財産だけでなく、税法上は遺産とみなされる「みなし相続財産」や、過去の贈与財産なども含めて計算しなければなりません。

これらを見落とすと、本来申告が必要だったにもかかわらず不要だと誤解してしまう原因になります。

死亡保険金や死亡退職金などの「みなし相続財産」

被相続人の死亡によって受け取る生命保険金や死亡退職金は、民法上の相続財産ではありませんが、税法上は「みなし相続財産」として扱われ、相続税の課税対象になります。
ただし、これらの財産には「500万円×法定相続人の数」で計算される非課税枠が設けられています。
受け取った保険金や退職金から、この非課税枠を差し引いた残りの金額を遺産の総額に加算します。
生命保険の相続対策については「生命保険を「相続対策」に使う最強のメリット|非課税枠と即時現金の作り方」で詳しく紹介しています。

亡くなる前3~7年以内に行われた「生前贈与」

相続開始前の一定期間内に行われた生前贈与は、相続税の課税対象として遺産の総額に加算されます。
これを「生前贈与加算」と呼びます。
従来、この期間は3年以内でしたが、2024年1月1日以降の贈与からは段階的に延長され、最終的に7年以内の贈与が対象となります。

基礎控除額ぎりぎりの場合、この加算によって申告が必要になるケースがあるため注意が必要です。

「相続時精算課税制度」を利用して贈与された財産

「相続時精算課税制度」は、原則として60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫へ生前贈与を行う際に選択できる制度です。
この制度を利用して贈与された財産は、贈与額が年間110万円の基礎控除額を超える場合、その超えた部分が相続時に遺産の総額に加算されます。
暦年贈与とは扱いが異なるため、過去にこの制度を利用した贈与がないか確認が必要です。
贈与税の時効については「贈与税の時効は何年?成立しないケースと相続税調査での発覚リスク」で詳しく紹介しています。

税務署から「相続税についてのお尋ね」が届いたときの対処法

相続発生後6~8ヶ月ほど経つと、税務署から「相続税についてのお尋ね」という書類が送られてくることがあります。
これは、税務署が把握している情報から、相続税の申告が必要な可能性があると判断された場合に送付されるものです。
無申告を疑われているわけではないため、無視せずに内容を確認し、財産を改めて計算しましょう。

申告が不要と判断した場合でも、その旨を記載して回答書を返送することが推奨されます。

相続のお金の不安を専門家と一緒に整理する「マネナビ」

相続税の申告が必要かどうかの判断は、財産の評価や特例の適用など専門的な知識を要する場面も少なくありません。
自分で判断することに不安を感じる場合は、専門家に相談することが一つの解決策です。
「マネナビ」では、相続に関する漠然とした不安や悩みを整理し、必要に応じて税理士などの専門家へつなぐサービスを提供しています。

初回相談は無料のため、気軽に現状を整理する場として活用できます。
相続手続きについては「初めての相続手続き完全ガイド|流れ・期限・やるべきことを専門家が解説」で詳しく紹介しています。

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相続税の申告をせずに放置した場合のペナルティ

相続税の申告義務があるにもかかわらず、期限までに申告しなかった場合、本来納めるべき税金に加えてペナルティが課されます。
主なものに、申告が遅れたことに対する「無申告加算税」や、納税が遅れた日数に応じて課される「延滞税」があります。

意図的に財産を隠すなど、悪質と判断された場合には、さらに重い「重加算税」が課されることもあり、納税額が大幅に増えてしまうリスクがあります。

マネナビに寄せられたご相談事例

「マネナビ」には、相続に関する様々な悩みや不安が寄せられています。
具体的な相談事例を通じて、多くの方がどのような点に疑問や不安を感じているのかを紹介します。
マネナビの相続サービスについては「マネナビの相続サービス」で詳しく紹介しています。

【60代・女性】何から手をつければ良いか分からなかった親の相続準備

親の相続に備える必要性を感じてはいたものの、具体的に何から始めればよいか分からず、不安な状態でした。
ご相談を通じて、相続の全体像や考えるべきことの優先順位が整理され、家族で話し合うきっかけになったとのお声をいただいています。

【50代・男性】将来相続する予定の実家の処分に関する悩み

将来相続する予定の実家について、売却、活用、保有のどれが最善の選択か判断できずに悩んでいました。
不動産相続の基本的な考え方や手続きの流れを整理したことで、家族と話し合う際に検討すべき具体的なポイントが明確になりました。
相続不動産の売却については「相続不動産売却ガイド」で詳しく紹介しています。

【60代・女性】子供がいない夫婦の相続に関する漠然とした不安

子どもがいないため、自分たち夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合、相続関係がどうなるのか分からず、漠然とした不安を抱えていました。
想定される相続人の範囲や、生前にできる対策について具体的に知ることで、安心して準備を進められるようになりました。

相続税の申告不要に関するよくある質問

ここでは、相続税の申告が必要かどうかについて、特によく寄せられる質問とその回答を紹介します。

Q
遺産総額がいくらまでなら、相続税の申告は本当に必要ないのでしょうか?
A

遺産の総額が基礎控除額「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」以下であれば、原則として相続税の申告は必要ありません。
ただし、特例を適用するために申告が必要なケースや、計算に含めるべき財産の見落としがないか注意が必要です。

Q
「配偶者の税額軽減」を使えば相続税は0円になりますが、申告はしなくても大丈夫ですか?
A

いいえ、申告は必要です。
「配偶者の税額軽減」のような特例を適用して納税額が0円になる場合でも、その特例を受けるためには相続税の申告書を税務署に提出する必要があります。
申告をしないと特例は適用されません。

Q
相続税の申告は必要ないと思っていたら、税務署から「お尋ね」が届きました。どうすればよいですか?
A

まずは無視せず、書類の内容を確認してください。
そのうえで、相続財産を再度計算し、申告が必要かどうかを再検討します。
申告が不要と判断した場合でも、その旨を回答書に記載して返送することをおすすめします。

放置すると無申告を疑われる可能性があります。

マネナビが選ばれる3つの理由

「マネナビ」は、相続に関するお金の不安を抱える多くの方に選ばれています。
ここでは、その3つの理由をご紹介します。

結論を急がず、考えるべきことの順番を一緒に整理

相続や老後のお金の悩みは、すぐに答えを出せるものばかりではありません。
「マネナビ」では、いきなり対策を提案するのではなく、まず現状をヒアリングし、何が不安なのか、どこから手をつけるべきかを一緒に整理することから始めます。

落ち着いて考えられる土台をつくることを大切にしています。

専門用語を極力使わず、判断に必要なポイントを分かりやすく解説

相続や税金の話は、専門用語が多くて難しいと感じる方も少なくありません。
「マネナビ」では、専門用語の使用をできるだけ避け、判断に本当に必要なポイントに絞って分かりやすく解説します。
初めて相続について考える方でも、全体像を掴めるようサポートします。

無理な勧誘は一切なし!利用者のペースを尊重したご案内

お金に関する相談には、無理な勧誘や契約を迫られるのではないかという不安が伴うかもしれません。
「マネナビ」では、相談者の状況やペースを尊重し、特定の結論を押し付けることは一切ありません。

ご相談の結果、「今は何もしない」という選択になることもありますので、安心してご利用いただけます。

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まとめ

相続税の申告は、遺産総額が基礎控除額以下であれば原則として不要です。
「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」などを適用して納税額がゼロになる場合は、申告手続きが必須となります。

また、遺産総額の計算には、みなし相続財産や生前贈与を含める必要があり、自己判断を誤ると無申告加算税などのペナルティが課されるリスクがあります。
申告が必要かどうかの判断に迷った際は、専門家へ相談することをおすすめします。

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記事を読んで「自分のケースではどうだろう?」と感じたら、状況を整理するところから始められます。

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