50代持ち家ありの貯金額は平均いくら?老後資金の目安を解説

  • 公開日:2026.08.24
  • 更新日:2026.08.24
執筆者

長谷川 毅

はせがわ たけし

  • AFP(日本FP協会認定)
  • 証券外務員二種
  • 住宅ローンアドバイザー

【専門分野・得意分野】生命保険・ライフプランニング・相続対策
【自己紹介】保険業界22年。豊富な経験を活かし、最適なライフプランニングから円滑な相続対策まで幅広く対応いたします。

【所属会社名】株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ
https://www.kamakura-life.co.jp/

50代持ち家ありの貯金額は平均いくら?老後資金の目安を解説

50代は、定年退職が見え始め、本格的に老後資金について考え出す時期です。
特に持ち家がある世帯では、「住宅ローンは残っているが、今の貯金額で老後の生活は安泰だろうか」「他の同世代はどのくらい貯金しているのだろうか」といった不安や疑問を抱える方も少なくありません。

この記事では、50代で持ち家がある世帯の平均貯金額や、老後に必要となる資金の目安、そして今からでも間に合う賢い資金準備術について解説します。

【この記事でわかること】
・ 50代・持ち家世帯の貯蓄額と住宅ローンのリアルな実態
・ 自分に必要な老後資金額を3ステップで計算する方法
・ 50代から始めるべき具体的な老後資金の準備術

【データで見る】50代・持ち家あり世帯の貯金額は平均いくら?

金融広報中央委員会の令和5年調査結果によると、50代の二人以上世帯における金融資産保有額(預貯金・株式・保険などの総額)の平均は1,147万円です。ただし、この数値には金融資産を全く保有していない世帯も含まれています。金融資産を保有している世帯に限定すると、平均値は1,611万円というデータもあります。

夫婦共働きか、子どもの教育費の負担が終わったかなど、各家庭の状況によって貯金額に大きな差が生まれるのが50代の特徴です。また、単身世帯では平均1,391万円となっております。なお、金融資産なしの世帯は約3割存在しており、資産状況の二極化が進んでいる様子がうかがえます。

50代の金融資産保有額

単身世帯二人以上世帯
金融資産なしも含む金融資産あり金融資産なしも含む金融資産あり
金融資産非保有者38.3%27.4%
100万円未満11.2%12.5%9.1%18.1%
100~500万円未満15.3%24.7%17.9%24.8%
500~1,000万円未満10.1%15.2%11.1%16.3%
1,000~2,000万円未満9.0%18.0%13.1%14.6%
2,000~3,000万円未満4.4%7.4%5.4%7.1%
3,000万円以上9.3%15.5%11.2%15.0%
平均1,391万円1,611万円1,147万円2,288万円
中央値80万円745万円300万円555万円

引用:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)(金融広報中央委員会)
引用:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)(金融広報中央委員会)

平均値と中央値の違い|実態に近いのはどちら?

平均値は一部の富裕層の金額に大きく引き上げられる傾向があるため、より実態を把握するには「中央値」を見ることが重要です。中央値とは、データを小さい順に並べたときに真ん中に来る値のことで、より多くの人の実感に近い数値とされています。50代の二人以上世帯の金融資産保有額の中央値は745万円というデータがあります。平均値である1,611万円と比較すると大きな差があり、多くの世帯では資産額が1,000万円に達していないのが実情です。自身の状況を客観的に把握するためには、平均値と合わせて中央値も参考にすると良いでしょう。

住宅ローンの平均残高と完済状況もチェック

50代の持ち家世帯にとって、貯金額と同じくらい気になるのが住宅ローンの残高です。
金融経済教育推進機構の調査によると、50代の住宅ローン残高の平均値は二人以上世帯で928万円、中央値は600万円となっています。単身世帯の平均値は382万円です。
多くの世帯が60代での完済を目指していますが、退職金で一括返済を予定しているケースも少なくありません。

ただし、老後資金として考えていた退職金を住宅ローンの返済に充てると、その後の生活資金が不足する可能性も出てきます。
貯金額と住宅ローン残高のバランスを考慮し、退職までの返済計画を具体的に立てておくことが重要です。

持ち家があっても安心は禁物?50代が直面する老後のお金の課題

「持ち家があれば家賃がかからないから老後は安心」と考えるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
持ち家には賃貸にはない特有のコストがかかるうえ、50代は収入面でも変化が訪れる時期です。
老後破産に陥らないためには、持ち家があるからこその課題を正しく理解し、早めに備えを始める必要があります。

特に夫婦二人暮らしの場合、どちらかに万が一のことがあった際の住居の維持費なども含め、長期的な視点で計画を立てることが求められます。

老後の生活費以外にかかる持ち家特有の支出

持ち家には、家賃の支払いがない代わりに様々な維持費がかかります。
代表的なものに、毎年課税される固定資産税や都市計画税、火災保険料や地震保険料があります。
これらに加え、経年劣化に対応するための修繕費も計画的に準備しなければなりません。

例えば、10〜15年周期で必要となる外壁や屋根の塗装には100万円以上かかることもあります。
また、給湯器やエアコン、水回りの設備などもいずれ交換時期を迎えます。
夫婦で快適な老後生活を送るためには、これらの突発的な支出に備えて、生活費とは別にリフォーム資金を準備しておくことが不可欠です。

働き方の変化で起こる収入の減少

多くの企業では50代半ばから役職定年制度が導入されており、給与が下がるケースが少なくありません。
また、60歳で定年退職を迎えた後、再雇用制度を利用して働き続ける場合も、一般的に現役時代より収入は大幅に減少します。
年金の受給が始まる65歳までの収入の空白期間をどう乗り切るか、また、65歳以降の年金収入だけで生活していけるのかは、50代のうちに真剣に考えておくべき課題です。

住宅ローンの返済が残っている場合は特に、収入減少が家計に与える影響は大きくなるため、早めの対策が求められます。

今の貯金で足りる?老後に必要な資金額を3ステップで計算

老後に必要な資金額は、家族構成やライフスタイルによって大きく異なります。
やみくもに不安を抱くのではなく、まずは自分にとって具体的にいくら必要なのかを計算し、現状との差を把握することが大切です。
60歳で定年退職し、年金生活に入ることを想定して、以下の3ステップで必要な資金額を算出してみましょう。

この計算を通じて、漠然とした不安が具体的な目標に変わります。

ステップ1:ねんきん定期便で将来の年金受給額を把握する

老後収入の柱となるのが公的年金です。
まずは、日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で、将来受け取れる年金の見込額を確認しましょう。
50以上の方のねんきん定期便には、現在の加入条件が60歳まで続いた場合の年金見込額が記載されており、より具体的な金額を把握できます。

また、ウェブサイト「ねんきんネット」に登録すれば、いつでも最新の情報を確認したり、繰り下げ受給など様々な条件で年金額をシミュレーションしたりすることも可能です。

ステップ2:退職後の生活費を具体的にシミュレーションする

次に、退職後の夫婦の生活で毎月どのくらいの支出があるかをシミュレーションします。
現在の家計簿を参考に、食費、水道光熱費、通信費、保険料、医療費、交際費、趣味・娯楽費など、項目ごとに洗い出してみましょう。
子どもが独立することで教育費がなくなる一方、医療費や交際費が増える可能性があります。

総務省の家計調査では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月額25万円程度というデータもありますが、これはあくまで平均です。
旅行や趣味など、自分たちがどのような老後を送りたいかを具体的にイメージしながら、必要な生活費を算出することが重要です。

ステップ3:年金収入と支出の差額から不足額を算出する

ステップ1で把握した年金収入から、ステップ2で算出した生活費を差し引くことで、毎月の不足額が分かります。
この不足額を、老後の生活期間で掛け合わせると、老後全体で必要な貯蓄額の目安が算出できます。
この金額に、持ち家の修繕費や医療・介護費用などの予備費を加えたものが、最終的に準備すべき目標額となります。

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老後資金の準備は、年金や貯蓄だけでなく、相続、不動産、介護、保険など、複数の要素が複雑に絡み合います。
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50代からでも間に合う!持ち家世帯向けの賢い老後資金準備術

老後の必要額を計算し、「今の貯金では足りない」と焦りを感じた方もいるかもしれません。
しかし、50代からでも準備できることは数多くあります。
特に子どもが独立した後の50代は、家計の支出が減り、貯蓄のラストスパートをかける絶好の機会です。

収入を増やすことと同時に、支出を減らし、手元のお金を有効に活用する三つの視点から、具体的な準備術を紹介します。
夫婦で協力し、楽しみながら取り組むことが長続きの秘訣です。

①まずは固定費の削減から!家計の見直しポイント

老後資金を効率的に貯めるためには、まず家計の支出を見直し、無駄をなくすことが基本です。
特に、一度見直せば効果が継続しやすい「固定費」の削減から着手するのがおすすめです。
例えば、生命保険や医療保険の内容が現在のライフステージに合っているかを確認し、過剰な保障を解約する、スマートフォンの料金プランを格安SIMに変更する、あまり利用していないサブスクリプションサービスを解約するなど、できることは数多くあります。

これらの見直しで月々数千円でも支出を減らせれば、年間では数万円単位の貯蓄につながります。

②新NISAやiDeCoを活用した資産運用を始める

超低金利時代の現在、預貯金だけでお金を増やすのは困難です。
インフレによる資産価値の目減りを防ぐためにも、資産運用を取り入れることを検討しましょう。
50代からの運用は、退職までの期間が比較的短いため、大きなリスクを取るのではなく、「守りながら着実に増やす」ことが基本です。

税制優遇制度である「新NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、長期的な資産形成の有力な選択肢です。
特にiDeCoは掛金が全額所得控除の対象となり、節税効果も期待できます。
まずは少額から始め、分散投資を心がけることが大切です。

③住宅ローンは繰り上げ返済すべき?判断基準を解説

手元にまとまった資金ができたとき、住宅ローンの繰り上げ返済をすべきか、資産運用に回すべきか悩む方も多いでしょう。
判断のポイントは、住宅ローンの金利と、期待できる運用利回りとの比較です。
一般的に、ローンの金利が運用利回りを上回る場合は、繰り上げ返済を優先した方が利息の軽減効果が大きくなります。

逆に、低金利のローンの場合は、繰り上げ返済よりも運用に回した方が資産を増やせる可能性があります。
ただし、繰り上げ返済は手元の現金が減るため、急な出費への備えが少なくなる点も考慮し、慎重に判断することが必要です。

④持ち家を資産として活用するリバースモーゲージやリースバック

持ち家は、住むだけでなく老後資金を生み出す資産としても活用できます。
その代表的な方法がリバースモーゲージとリースバックです。
リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関から融資を受け、契約者が亡くなった後に自宅を売却して一括返済する仕組みです。

生きている間は利息のみの返済で済むことが多く、老後の生活資金を確保できます。
一方、リースバックは、一度自宅を売却して現金を受け取り、その後は賃貸契約を結んで同じ家に住み続ける方法です。
どちらもメリット・デメリットがあるため、仕組みをよく理解したうえで、専門家に相談しながら検討することが重要です。

50代・60代のリアルな悩み|マネナビの相談事例

老後のお金の悩みは、年代や家族構成、資産状況によって様々です。
「マネナビ」には、50代・60代の方々から多くの相談が寄せられています。
ここでは、実際に寄せられた相談事例の一部を紹介します。

他の方がどのような点に悩み、専門家との相談を通じてどう解決の糸口を見つけたのかを知ることで、自身の状況を客観的に見つめ直すきっかけになるかもしれません。

事例①:年金だけで暮らせるのか不安だった(60代・女性)

年金収入だけで今後の生活が本当に成り立つのか、漠然とした不安を感じていたというご相談です。
専門家との面談を通じて、まずは公的年金の受給見込額や現在の支出状況を具体的に可視化しました。
その上で、収支の見通しを立て、不足が見込まれる部分に対しては、年金以外の資産をどう計画的に取り崩していくかなど、具体的な備え方についてアドバイスを行いました。

漠然とした不安が具体的な数字に整理されたことで、安心して生活の計画が立てられるようになりました。

事例②:まとまった退職金の使い道に悩んでいた(60代・男性)

長年勤めた会社を退職し、まとまった退職金を受け取ったものの、どのように使えば良いのか決められずに悩んでいたという事例です。
退職金をただ預貯金として保有するだけでなく、老後の生活資金や将来の資産運用にどうバランス良く配分すべきか、専門家が一緒に考えました。
将来起こりうるライフイベントなども考慮しながら、長期的な視点での資産の「色分け」を行い、ご自身が納得できる方針を整理することができました。

事例③:新NISAの老後資金への活用法が分からなかった(50代・女性)

新NISA口座を開設し、積立投資を始めたものの、これが本当に老後資金づくりに役立つのか、具体的な活用法が分からずにいたというご相談です。
現在の家計状況やリスク許容度をヒアリングした上で、老後までの期間を考慮した積立額の考え方や、出口戦略についての注意点を解説しました。

これにより、自分なりの運用方針が明確になり、自信を持って資産形成を続けられるようになりました。

50代・持ち家ありの貯金額に関するよくある質問

50代で持ち家がある方から寄せられる、貯金額や老後資金に関する代表的な質問にお答えします。

Q
50代・持ち家ありの場合、貯金額は最低でもいくら必要ですか?
A

一概に最低額を示すことは困難です。
必要な金額は、将来の年金受給額や退職後の生活費、持ち家の維持費などによって大きく異なるからです。
まずは自身の年金見込額と理想の生活費を算出し、不足額を把握することが第一歩です。

その不足額に、家の修繕費や医療・介護費の備え(数百万円程度)を加えた額が一つの目安になります。

Q
住宅ローンが残っている50代ですが、老後資金の準備とどちらを優先すべきですか?
A

住宅ローンの金利と、資産運用で期待できる利回りを比較して判断するのが一つの方法です。
一般的に、ローンの金利が高い場合は繰り上げ返済を、低金利であれば老後資金の準備(iDeCoや新NISAなど)を優先する方が効率的とされます。

ただし、手元資金が減るリスクや、団体信用生命保険の保障がなくなる点も考慮し、総合的に判断することが重要です。

Q
50代から投資を始めるのはリスクが高いですか?
A

50代からの投資は、短期間で大きな利益を狙うのではなく、インフレから資産価値を守り、着実に育てるという視点が大切です。
退職までの期間が短くなるため、リスクは抑えるべきです。
全世界株式や先進国株式のインデックスファンドなど、長期・積立・分散投資を基本とした、比較的低リスクの商品から始めることをおすすめします。

マネナビが選ばれる3つの理由

老後のお金の悩みは複雑で、誰に相談すれば良いか分からないという方も多いでしょう。利用者の不安に寄り添い、安心して次のステップに進めるようなサポートを心がけています。

答えを急がず、状況を整理するところから始める伴走支援

「マネナビ」では、いきなり結論や対策を提示することはありません。
まずは、相談者が何に不安を感じているのか、どのような状況にあるのかを丁寧にヒアリングし、情報を整理することから始めます。
お金の問題は、考えるべき順番を整えるだけで、解決の道筋が見えてくることが少なくありません。

利用者の状況に寄り添い、一緒に課題を整理する伴走型の支援を大切にしています。

利用者のペースを尊重した、落ち着いて考えられる環境作り

老後や相続といったテーマは、不安を煽るような情報も多く、焦りを感じやすいものです。
そのため、「マネナビ」では過度な表現や結論を急がせるような案内は行いません。
相談者が自分のペースでじっくりと考え、納得して次のステップに進めるような、落ち着いた環境作りを何よりも大切にしています。

相談すること自体が目的ではなく、相談者が安心して意思決定できるようになることを目指しています。

家族にも話しづらいお金の悩みを気軽に話せる相談窓口

お金の悩みは、たとえ家族であっても話しづらいことがあります。
「マネナビ」は、そのような悩みを一人で抱え込まずに済むための、相談窓口です。
現状を整理するきっかけ作りをサポートします。

誰に相談していいか分からないという最初の段階から、気軽に利用できるのが特徴です。

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まとめ

50代で持ち家がある世帯の貯金額は、平均値と中央値に大きな開きがあり、個々の状況によって様々です。
大切なのは、他人と比較して一喜一憂するのではなく、自身の老後に必要な資金額を正しく把握し、計画的に準備を進めることです。
持ち家は資産である一方、維持費もかかります。

収入が変化する50代のうちに、家計の見直しや資産運用、住宅ローンの返済計画などを具体的に検討することが求められます。
もし一人で考えるのが難しい場合は、専門家の力を借りて状況を整理することも有効な手段の一つです。

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記事を読んで「自分のケースではどうだろう?」と感じたら、状況を整理するところから始められます。

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