65歳以上の遺族年金は平均いくら?自分の年金との合計額を早見表で解説

  • 公開日:2026.07.16
  • 更新日:2026.07.16
漢那 彩加
執筆者

漢那 彩加

かんな あやか

  • 相続診断士®
  • 3級ファイナンシャル・プランニング技能士

【専門分野・得意分野】相続・生命保険
【自己紹介】相続と終活についての窓口スタッフとして、経験豊富な個別相談経験を活かし、お客様の心に寄り添う提案を大切にします。

【所属会社名】株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ
https://www.kamakura-life.co.jp/

65歳以上の遺族年金は平均いくら?自分の年金との合計額を早見表で解説

配偶者に先立たれた後、65歳から受け取れる遺族年金の平均額や、自分の年金と合わせていくらになるのか、不安に思う方は少なくありません。

特に65歳になると、ご自身の老齢年金の受給も始まるため、年金の受け取り方が複雑に変わります。
この記事では、65歳以上の方が受け取る遺族厚生年金の平均額、ご自身の年金と合わせた合計額の計算方法、そして夫の年収別のシミュレーションを早見表で分かりやすく解説します。

65歳以上の遺族厚生年金の平均受給額は月額約8.3万円

65歳以上の配偶者が受け取る遺族年金は、主に「遺族厚生年金」です。
厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、遺族厚生年金の受給権者の平均年金月額は約8.3万円となっています。

ただし、この金額は全受給者の平均値であり、65歳以上に限定した統計ではありません。
実際の受給額は、亡くなった配偶者の現役時代の収入や厚生年金の加入期間によって大きく変動するため、あくまで一つの目安として捉えることが重要です。

65歳から遺族年金と自分の年金を両方受け取る際の併給ルール

65歳以上になると、多くの方が自身の老齢年金を受け取る権利を得ます。
遺族年金と自身の老齢年金の両方を受け取る権利がある場合、全額を同時にもらえるわけではなく、支給額が調整されます。
この併給の仕組みは少し複雑ですが、基本的なルールを理解することで、ご自身の将来の受給額を予測しやすくなります。

次の項目から、具体的なルールについて詳しく見ていきましょう。

①自分の老齢基礎年金は全額が支給される

まず、65歳以上の方が受け取る公的年金の土台となる「老齢基礎年金」は、遺族年金とは関係なく全額が支給されます。
老齢基礎年金は、国民年金の加入期間に応じて金額が決まる年金です。
遺族厚生年金を受け取っている場合でも、ご自身の老齢基礎年金が減額されることはありません。

したがって、将来の年金額を考える際は、まずご自身の老齢基礎年金額を確定させることが第一歩となります。

②老齢厚生年金と遺族厚生年金は差額分が支給される仕組み

65歳以降の年金計算で最も重要なのが、老齢厚生年金と遺族厚生年金の調整ルールです。
原則として、ご自身の老齢厚生年金が優先的に支払われます。
その上で、ご自身の老齢厚生年金の額が、受け取る権利のある遺族厚生年金の額よりも少ない場合に、その差額分が遺族厚生年金として上乗せ支給されます。

つまり、ご自身の老齢厚生年金と遺族厚生年金の差額分の合計が、厚生年金部分の受給額となります。

【夫の年収別】65歳以上の妻が受け取れる年金合計額の早見表

夫が亡くなった後、65歳以上の妻が受け取れる年金の合計額は、主に「妻自身の老齢基礎年金」と、「妻の老齢厚生年金と遺族厚生年金の調整後の金額」の合計で決まります。

ここでは、妻が国民年金に40年間加入し、厚生年金加入期間はないという前提で、夫の現役時代の年収別に年金合計額の目安をシミュレーションします。

以下の金額は概算であり、実際の金額は個別の年金加入記録によって異なります。

①夫の現役時代の年収が400万円だった場合のシミュレーション

夫の現役時代の平均年収が400万円(厚生年金加入40年)の場合、遺族厚生年金の概算額は年額約66万円(月額約5.5万円)です。
このケースで妻の年金合計額を計算すると、自身の老齢基礎年金(満額約80万円)と遺族厚生年金(約66万円)を合わせて、年額約146万円(月額約12.2万円)が受給額の目安となります。

妻自身に老齢厚生年金がないため、遺族厚生年金は全額支給されます。

②夫の現役時代の年収が600万円だった場合のシミュレーション

夫の現役時代の平均年収が600万円(厚生年金加入40年)の場合、遺族厚生年金の概算額は年額約99万円(月額約8.3万円)になります。
この場合の妻の年金合計額を計算すると、自身の老齢基礎年金(満額約80万円)と遺族厚生年金(約99万円)の合計で、年額約179万円(月額約14.9万円)が受給額の目安です。

年収が上がるにつれて、遺族厚生年金の額も比例して増加します。

③夫の現役時代の年収が800万円だった場合のシミュレーション

夫の現役時代の平均年収が800万円(厚生年金加入40年)の場合、遺族厚生年金の概算額は年額約132万円(月額約11.0万円)となります。
同様に妻の年金合計額を計算すると、自身の老齢基礎年金(満額約80万円)と遺族厚生年金(約132万円)を合わせて、年額約212万円(月額約17.7万円)が受給額の目安です。

この計算からも、亡くなった夫の現役時代の収入が、残された家族の生活を支える遺族年金額に大きく影響することがわかります。

遺族厚生年金の基本的な計算方法

遺族厚生年金の金額は、亡くなった方の厚生年金加入記録を基に計算されます。
基本的な計算式は「亡くなった方の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3」です。
この「報酬比例部分」とは、厚生年金に加入していた期間の給与や賞与の額に応じて決まる部分を指します。

つまり、現役時代の収入が高く、加入期間が長いほど報酬比例部分の金額は大きくなり、その結果として遺族厚生年金の受給額も多くなります。
正確な金額を知るには、日本年金機構の「ねんきんネット」やお近くの年金事務所で確認が必要です。

65歳を境に加算される年金:「中高齢寡婦加算」から「経過的寡婦加算」へ

遺族厚生年金には、特定の条件を満たす妻に対して基本額に上乗せされる「加算制度」があります。
この加算は65歳を境に種類と金額が切り替わるため、注意が必要です。
40歳から65歳未満の間は「中高齢寡婦加算」が支給されますが、65歳以上になると、ご自身の老齢基礎年金が支給されるため、この加算は終了し、代わりに「経過的寡婦加算」が支給される場合があります。

これにより、65歳前後で年金の総額が変動することがあります。

①40歳から65歳未満の妻に加算される「中高齢寡婦加算」

中高齢寡婦加算は、夫が亡くなった時点で40歳以上65歳未満であり、生計を同じくする子がいない等の条件を満たす妻に支給される加算制度です。これは、子どもがいないために遺族基礎年金を受け取れない妻の収入を補う目的があります。

支給額は定額で、年額612,000円(令和6年度)が遺族厚生年金に上乗せされます。この加算は妻が65歳になるまでの期間限定の措置です。

②65歳以上の妻に加算される「経過的寡婦加算」

妻が65歳になり、自身の老齢基礎年金を受け取るようになると、中高齢寡婦加算は終了します。
その代わりに、生年月日など特定の条件を満たす場合に「経過的寡婦加算」が支給されます。
この制度は、老齢基礎年金の金額が中高齢寡婦加算の額よりも低くなる場合に、年金額が急激に減少しないように差額を補うためのものです。

加算額は妻の生年月日に応じて異なり、年齢が若いほど金額は少なくなります。

【2028年度から】遺族年金制度の改正による変更点

現在、政府は遺族年金制度の見直しを検討しており、2028年度からの改正が予定されています。
主な変更点として、若年で子どもがいない受給権者(現行案では30歳未満の男女)に対して、遺族年金の支給を5年間の有期給付とする案が議論されています。
また、これまでは主に妻が対象とされてきた中高齢寡婦加算について、夫にも対象を拡大する案などが検討課題となっています。

これらの改正は今後の生活設計に影響を与える可能性があるため、最新の情報に注意を払うことが重要です。

相続や老後のお金の不安は「マネナビ」でまとめて整理

遺族年金の仕組みは複雑で、ご自身の状況に合わせた正確な情報を得るのは簡単ではありません。
また、相続や介護、老後資金など、お金に関する悩みは一つひとつが絡み合っています。
マネナビでは、こうした漠然としたお金の不安を専門家と一緒に整理し、何から考えるべきかを明確にするお手伝いをしています。

一人で抱え込まず、まずは現状を整理することから始めてみませんか。

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マネナビのご相談事例

マネナビには、60代の方を中心に、相続や老後に関する様々なお悩みが寄せられています。
ここでは、実際にいただいたご相談の中から、代表的な事例をいくつかご紹介します。
ご自身の状況と近いケースがあれば、ぜひ参考にしてください。

【60代女性】何から始めるべきかわからなかった実母の相続準備

実母の相続について、そろそろ準備が必要だと感じつつも、何から手をつけて良いか分からず不安だったという60代女性からのご相談でした。
マネナビでは、まず相続の全体像と考えるべきことの優先順位を一緒に整理しました。
これにより、ご家族で話し合うべきポイントが明確になり、具体的な準備を進めるきっかけになったとのお声をいただいています。

【50代男性】売却か保有か迷っていた実家の処分

将来相続する予定の実家について、売却すべきか、活用すべきか、あるいはそのまま保有すべきか、判断に迷っていた50代男性の事例です。
不動産相続の基本的な考え方や手続きの流れ、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを整理しました。
これにより、ご家族で話し合う際に検討すべき点が明確になり、方針を決める一助となりました。

【60代女性】親の認知症で心配だったお金の管理

親の物忘れが増え、将来認知症になった場合のお金の管理が心配だという60代女性からのご相談です。
認知症が進行すると口座が凍結されるリスクなど、お金にまつわる基本的な知識と、事前に備えておける対策(成年後見制度や家族信託など)を整理してお伝えしました。

漠然とした不安が具体的な課題となり、次の一歩を考えるきっかけになりました。

【50代男性】漠然とした不安があった老後資金

老後資金について、漠然とした不安は感じているものの、具体的に何をすればよいか分からなかったという50代男性の事例です。
80歳、90歳といった長期的な視点で老後資金を考えるためのポイントや、インフレも考慮した資産寿命の考え方などを整理しました。
これにより、ご自身の状況に合わせた具体的な目標設定が可能になりました。

遺族年金に関するよくある質問

ここでは、65歳以上の方の遺族厚生年金に関して、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。ご自身の疑問や不安を解消するための参考としてください。

Q
夫が亡くなった後、妻自身の年金と遺族年金の合計手取り額はいくらになりますか?
A

合計手取り額は、夫の年収や妻自身の年金加入状況により大きく異なります。
原則として、妻自身の「老齢基礎年金」は全額支給されます。
それに加え、①妻自身の「老齢厚生年金」と、②「遺族厚生年金から妻の老齢厚生年金を差し引いた差額」の合計額が支給されます。

Q
遺族年金は繰り下げ受給すると増額されますか?
A

いいえ、遺族年金は繰り下げ受給の対象ではないため、受給開始を遅らせても年金額は増額されません。
繰り下げ受給が可能なのは、ご自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金のみです。
遺族年金の受給権が発生したら、速やかに手続きを行うことをおすすめします。

Q
遺族年金を受給している場合、確定申告は必要ですか?
A

遺族基礎年金および遺族厚生年金は、法律により非課税所得と定められているため、これらの年金収入のみであれば確定申告は不要です。
ただし、ご自身の老齢年金や給与所得など、他に課税対象となる所得がある場合は、それらの所得と合わせて確定申告が必要になることがあります。

遺族年金や老後資金の不安を解消する「マネナビ」が選ばれる理由

遺族年金や老後資金に関する悩みは、制度が複雑なだけでなく、ご自身の状況やご家族との関係も絡むため、一人で解決策を見つけるのは難しいものです。
マネナビでは、専門家が利用者の状況に寄り添い、お金の悩みを整理するところから丁寧にサポートします。

結論を急がず、考えるべきことの順番を整理してくれる

お金の問題は不安が伴うため、つい焦って結論を出しがちです。
マネナビでは、いきなり対策を提案するのではなく、まず現状をヒアリングし、何が不安なのか、どこから手をつけるべきかを一緒に整理します。
特に65歳以上の生活設計のように長期的な視点が必要な問題も、考えるべきことの順番を整えることで、落ち着いて判断できるようになります。

専門用語を使わず、落ち着いて考えられる環境を提供してくれる

年金や相続、保険の話には難しい専門用語が多く出てきます。
マネナビでは、専門用語を極力使わず、判断に必要なポイントを分かりやすくお伝えすることを重視しています。
例えば80代の親の介護費用といった切実な問題も、利用者のペースに合わせて、安心して考えられる環境を提供します。

家族には相談しにくいお金の悩みを安心して話せる窓口がある

相続や介護のことは、たとえ家族であっても話しづらい場合があります。
特に夫を亡くした妻が、今後の生活費について一人で悩みを抱え込んでしまうケースは少なくありません。

マネナビは、そうした悩みを安心して話せる中立的な第三者の窓口として機能します。
ご相談内容の秘密は厳守されるため、ご自身のペースでじっくりと考えることが可能です。

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まとめ

65歳以上の方が受け取る遺族厚生年金の平均月額は約8.3万円ですが、これはあくまで目安です。
実際の受給額は、亡くなった配偶者の収入や自身の年金加入状況によって大きく変わります。
特に65歳以上では、自身の老齢年金との併給調整が行われるため、仕組みが複雑になります。

遺族厚生年金は、「自身の老齢厚生年金」を優先的に受け取り、その差額分が支給されるという点を理解しておくことが重要です。
個別の状況に応じた正確な金額や将来の見通しについて不安がある場合は、専門家へ相談することも有効な選択肢となります。

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