500万円の贈与税はいくら?計算方法と非課税にする特例を解説

  • 公開日:2026.07.02
  • 更新日:2026.07.03
執筆者

長谷川 毅

はせがわ たけし

  • AFP(日本FP協会認定)
  • 証券外務員二種
  • 住宅ローンアドバイザー

【専門分野・得意分野】生命保険・ライフプランニング・相続対策
【自己紹介】保険業界22年。豊富な経験を活かし、最適なライフプランニングから円滑な相続対策まで幅広く対応いたします。

【所属会社名】株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ
https://www.kamakura-life.co.jp/

500万円の贈与税はいくら?計算方法と非課税にする特例を解説

500万円贈与された場合、贈与税額がいくらになるか気になる方も多いでしょう。
贈与税の税金は、誰から誰へ贈与されたかによって変わります。

この記事では、500万円にかかる贈与税の計算方法や、贈与税が非課税になる特例制度について解説します。

500万円を贈与すると税金はいくら?2つのケースで解説

生前贈与で500万円を受け取った場合にかかる税金は、贈与者と受贈者の関係によって異なります。
具体的には、親や祖父母から子や孫へ贈与される特例贈与と、それ以外の一般贈与の2つのケースがあり、それぞれ税率が異なります。
自分の状況がどちらに該当するかを確認し、正しい税額を把握することが重要です。

①【特例贈与】親や祖父母から子・孫へ贈与した場合の税額

贈与された年の1月1日時点で18歳以上の子や孫が、直系尊属である親や祖父母から贈与を受けた場合は「特例贈与」に該当します。
この場合の贈与税額は48.5万円です。
親子間や祖父母から孫への贈与がこれにあたります。

(500万円-110万円)×15%-10万円=48.5万円

②【一般贈与】兄弟や夫婦、他人から贈与された場合の税額

特例贈与に該当しない贈与は一般贈与と呼ばれます。
例えば、兄弟間、夫婦間、あるいは親族でない他人からの贈与がこれに該当します。
この場合の500万円に対する贈与税額は53万円で、特例贈与よりも高くなります。

計算式は以下の通りです。
(500万円-110万円)×20%-25万円=53万円

贈与税は3ステップで計算できる!シミュレーションで確認

贈与税の計算は、暦年課税という方法を用いて3つの簡単なステップで行えます。
暦年課税では、1人の人がその年の1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの金額に対して課税されます。
以下のステップに沿って、ご自身のケースでシミュレーションしてみましょう。
相続税の基礎控除については「相続税の基礎控除と申告が必要なボーダーライン」で詳しく紹介しています。

ステップ1:誰からの贈与か(一般贈与か特例贈与か)を判定する

はじめに、贈与が「特例贈与」と「一般贈与」のどちらに該当するかを判定します。
特例贈与は、父母や祖父母などの直系尊属から、その年の1月1日時点で18歳以上の子や孫への贈与を指します。
一方、一般贈与は、兄弟間、夫婦間、他人からの贈与など、特例贈与に当てはまらない全ての贈与が対象です。

どちらに該当するかで、後のステップで用いる税率と控除額が変わります。

ステップ2:贈与額から基礎控除110万円を差し引く

次に、その年にもらった財産の合計額から、基礎控除額である110万円を差し引きます。
この基礎控除は、贈与を受けた人(受贈者)一人あたり年間110万円まで認められています。

500万円の贈与を受けた場合、課税対象となる金額(課税価格)は「500万円-110万円=390万円」となります。
この390万円に対して贈与税がかかります。

ステップ3:課税価格に税率を掛けて控除額を引く

最後に、ステップ2で算出した課税価格に、ステップ1で判定した贈与の区分に応じた税率を掛け、そこから控除額を差し引いて最終的な納税額を算出します。

  • 特例贈与の場合:390万円×15%-10万円=48.5万円
  • 一般贈与の場合:390万円×20%-25万円=53万円

この計算により、納めるべき贈与税額が確定します。

500万円を非課税で贈与するための4つの特例制度

500万円のようなまとまった金額でも、国の定める特例制度を利用すれば、贈与税を非課税にできる可能性があります。
これらの制度は、特定の目的のための生前贈与を支援するものであり、それぞれに適用要件が定められています。

代表的な4つの非課税制度を知り、自身の状況に合うものがないか検討することが節税につながります。

①【住宅購入なら】住宅取得等資金の贈与の非課税措置

父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築や購入、増改築のための資金援助を受けた場合に利用できる制度です。
一定の要件を満たす省エネ等住宅であれば1,000万円まで、それ以外の一般住宅であれば500万円まで贈与税が非課税となります。
この特例を利用するためには、贈与を受けた翌年の3月15日までに贈与税の申告が必要です。

②【2,500万円まで非課税】相続時精算課税制度を利用する

原則として60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫へ贈与を行う場合に選択できる制度です。
この制度を利用すると、最大2,500万円までの贈与が非課税となります。
ただし、贈与者が亡くなった際に、この制度で贈与された財産は相続財産に加算され、相続税の課税対象となるため、遺産全体の状況を考慮して慎重に判断する必要があります。

③【教育費として】教育資金の一括贈与に係る非課税措置【2026年3月終了】

教育資金の一括贈与に係る非課税措置は、30歳未満の子や孫に対して、父母や祖父母が教育資金をまとめて贈与した場合に、受贈者1人あたり最大1,500万円までが非課税となる制度です。この特例を利用するには、銀行や信託銀行などの金融機関で専用口座を開設し、入学金や授業料、学習塾の月謝といった教育目的の支出であることを証明する領収書を提出する必要があります。

非常に重要な点として、この非課税措置は令和5年度の税制改正において適用期限の延長が決定されましたが、同時に制度の厳格化も図られています。当初は時限的な措置として終了も検討されていましたが、現在は2026年(令和8年)3月31日まで期限が延長されています。ただし、贈与者が亡くなった際の残額に対する相続税の加算ルールが強化されるなど、実質的には以前よりも利用条件が慎重に検討されるべき内容へと変化しています。

教育資金の範囲は幅広く、学校への支払いのほか、部活動や習い事の費用として最大500万円まで認められる枠も含まれます。まとまった資金を早期に移転できるメリットがある一方で、管理の手間や期限後の課税リスクも存在するため、最新の制度状況を正しく把握した上での活用が求められます。

この特例は2026年(令和8年)3月31日までとされていた適用期限が延長されずに終了することとされたため、2026年(令和8年)4月1日以後については、この特例の適用を受けることはできません。ただし、令和8年3月31日までにこの特例の適用を受けた信託受益権または金銭等については、引き続きこの特例が適用されます。

④【結婚・育児資金なら】結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置

18歳以上50歳未満の子や孫が、結婚や子育てのための資金を父母や祖父母から一括で受け取る場合に、最大1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です。
結婚資金としては挙式費用や新居の家賃、子育て資金としては不妊治療や出産費用、子の医療費などが対象となります。
この制度も、金融機関で専用口座を開設して手続きを行う必要があります。

贈与税の申告漏れはなぜバレる?税務署に指摘されないための注意点

「現金手渡しならバレないだろう」と考える人もいますが、税務署はさまざまな機会に資産の動きを把握しています。
例えば、不動産を購入したり、保険金を受け取ったりすると、その情報が税務署に渡ります。
相続税調査の過程で過去の贈与が発覚するケースも少なくありません。

申告漏れが発覚すると、本来の税額に加えて無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるため、適切な手続きが不可欠です。

①贈与の証拠として「贈与契約書」を必ず作成する

贈与は、財産を「あげる」という贈与者と、「もらう」という受贈者の双方の合意があって初めて成立します。
この合意を証明するために、贈与契約書を作成することが非常に重要です。

特に不動産や高額な金銭の贈与では、日付、当事者の氏名、贈与する財産の内容を明記し、署名・捺印した契約書を保管しておくことで、税務調査の際に贈与の事実を客観的に証明できます。

②受贈者が管理できるように銀行振込で記録を残す

現金の直接手渡しは、贈与の記録が残らないため避けるべきです。
代わりに銀行振込を利用することで、「いつ、誰から誰へ、いくら送金されたか」という客観的な証拠が通帳に残ります。
これにより、贈与の事実が明確になり、税務署からの問い合わせに対してもスムーズに説明できます。

受贈者名義の口座へ振り込むことで、財産が確かに受贈者に渡ったことを証明できます。

③名義だけの預金(名義預金)と見なされないように管理する

親が子や孫の名義で預金口座を作り、そこに資金を移しても、その口座の通帳や印鑑を親が管理している場合、「名義預金」と見なされ、贈与が成立していないと判断されることがあります。
名義預金と判断された財産は、相続時に親の財産として扱われます。
贈与を成立させるためには、口座の管理はすべて受贈者本人が行い、自由に使える状態にしておくことが重要です。

④贈与税の申告と納税は期限内に必ず行う

年間の贈与額が基礎控除の110万円を超える場合、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告と納税を済ませる必要があります。
非課税の特例制度を利用する場合も、申告手続きが要件となっていることが多いため注意が必要です。
期限内に手続きを完了させないと、ペナルティが課される可能性があるため、スケジュール管理を徹底しましょう。

贈与や相続の悩みは専門家への相談で整理できる

贈与税の計算や特例制度の活用、相続対策は非常に複雑です。
どの制度を利用するのが最適か、どのような手続きが必要かは、個人の資産状況や家族構成によって大きく異なります。
一人で悩むと、かえって不安が大きくなりがちです。

まずは専門家に相談し、現状を整理することから始めるのがおすすめです。
お金に関する悩みを専門家と一緒に考えることで、次に何をすべきかが見えやすくなります。

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マネナビの相談事例紹介

マネナビでは、相続や老後資金など、お金に関するさまざまなご相談に対応しています。
ここでは、実際に寄せられた相談事例の一部を紹介します。
多くの方が同様の悩みを抱えており、専門家と話すことで状況が整理され、次の一歩を踏み出すことができています。
お金に関するご相談は「マネナビのサービス紹介」で詳しく紹介しています。

【実母の相続】何から始めるべきか分からず、不安だった(60代・女性)

親の相続準備が必要だと感じつつも、具体的に何から始めればよいか分からず、漠然とした不安を抱えていました。ご相談では、家族構成や財産状況を踏まえ、考えるべきことの優先順位を明確にすることで、落ち着いて家族と話し合うきっかけをつくることができました。

【実家の処分】相続予定の実家をどうすべきか迷っていた(50代・男性)

将来相続する予定の実家について、売却すべきか、活用すべきか、あるいはそのまま保有し続けるべきか、判断に迷っていました。
ご相談を通じて、不動産相続における基本的な考え方や、売却・活用それぞれのメリット・デメリットを整理できました。家族で話し合う際に検討すべきポイントが明確になり、具体的な方向性を決める一助となりました。

【親の介護】認知症になった際の親のお金の管理が心配だった(60代・女性)

親の物忘れが増えてきたことから、将来の認知症への備えや、その際のお金の管理が心配されていました。
ご相談では、認知症になると銀行口座が凍結されるリスクなど、お金に関する基本的な知識をお伝えしました。その上で、成年後見制度や家族信託など、事前に考えられる対策とそれぞれの特徴を整理し、備えの重要性を確認しました。

【老後生活】老後資金が足りるか漠然と不安を感じていた(50代・男性)

老後の生活資金について、漠然とした不安を感じてはいたものの、具体的に何から考えればよいか分からずにいました。
ご相談では、まず現在の家計状況や将来の生活や要望、不安をヒアリングしました。さらに、公的年金の受給見込額を確認しながら、老後資金を考える上で重要な視点や、長く安心して暮らすための「ライフプラン・資産寿命」の考え方を整理しました。


保険見直しのポイントについては「老後・相続に備える保険見直しのポイント」で詳しく紹介しています。

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贈与税に関するよくある質問

Q
現金を手渡しすれば税務署にバレませんか?
A

バレないとは言い切れません。
税務署は不動産購入や相続税調査の際に、お金の流れを調査します。

その過程で、出所が不明な資金が見つかると、過去の贈与を疑われる可能性があります。
記録が残らない手渡しは、かえってトラブルの原因になるため避けるべきです。

Q
複数人から合計500万円もらった場合、基礎控除はどうなりますか?
A

贈与税は「もらった人」を基準に計算します。
例えば、父から300万円、母から200万円の合計500万円をもらった場合、年間の受贈額は500万円です。ここから基礎控除110万円を差し引いた390万円が課税対象となり、贈与税の申告が必要です。

Q
贈与税の申告はいつまでに、どこで行えばよいですか?
A

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告と納税が必要です。
申告書の提出先は、贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署です。e-Taxを利用して電子申告することもできます。

マネナビが選ばれる理由

マネナビでは、相続や老後のお金に関する複雑な悩みを、お客様一人ひとりの状況に合わせて整理し、次の一歩を考えるお手伝いをしています。
多くの方に選ばれる理由として、3つの特長があります。

①結論を急がず、まずはお金の悩みを整理することから始めます

私たちは、いきなり特定の対策や商品を提案することはありません。
まずはお客様の状況や不安に感じていることを丁寧にお伺いし、「何が問題なのか」「どこから考えるべきか」を一緒に整理します。不安を具体的に言葉にすることで、本当に必要なことが見えやすくなります。

②利用者のペースを尊重し、落ち着いて考えられる環境を提供します

お金に関する悩みは、すぐに結論を出せるものばかりではありません。
特に相続や介護といったデリケートな問題は、じっくり考える時間が必要です。
マネナビでは、過度な表現で不安を煽ったり、結論を急がせたりせず、お客様のペースを尊重した対話を大切にしています。

③一人で抱え込まずに済むよう、専門家へつなぐ窓口となります

何から手をつければいいか分からない、誰に相談すればいいか分からない、という方も少なくありません。
マネナビは、そうした方々が一人で悩みを抱え込まないための最初の窓口です。
状況の整理をお手伝いし、必要に応じて税理士や不動産の専門家など、内容に合った専門家へおつなぎします。

まとめ

500万円を贈与された場合、贈与者との関係によって48.5万円または53万円の贈与税がかかります。
しかし、住宅取得等資金の贈与や相続時精算課税制度などの特例を利用することで、税負担をなくせる可能性があります。

贈与を行う際は、贈与契約書の作成や銀行振込の利用など、後々のトラブルを防ぐための対策も重要です。
どの方法が最適か迷う場合は、専門家に相談して状況を整理することをおすすめします。

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