公正証書遺言の証人は誰に頼む?証人選びで失敗しない探し方を解説

  • 公開日:2026.09.07
  • 更新日:2026.09.07
松岡 一嘉
執筆者

松岡 一嘉

まつおか かずよし

  • AFP(日本FP協会認定)
  • 証券外務員一種
  • 相続診断士®
  • MBA(経営管理修士)

【専門分野・得意分野】資産運用、相続、事業承継
【自己紹介】生命保険業界22年、お客様のご状況に合わせて最適なご提案をいたします。相続が争族にならないようにご対応いたします。

【所属会社名】株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ
https://www.kamakura-life.co.jp/

公正証書遺言の証人は誰に頼む?証人選びで失敗しない探し方を解説

公正証書遺言を作成する際には、法律で定められた証人が2名以上、必要です。
しかし、証人は誰でもなれるわけではなく、特定の条件を満たす必要があります。
証人になれる人、そして証人になれない人の条件をわかりやすく解説し、信頼できる証人の探し方から費用相場、当日の役割まで、公正証書遺言の証人に関する疑問点を網羅的に説明します。

【この記事でわかること】
・公正証書遺言の証人になれない人の条件
・信頼できる証人を探すための3つの依頼先
・依頼先によって変動する証人費用の相場
・遺言作成当日に証人が担う具体的な役割

公正証書遺言の作成には証人2人以上の立ち会いが必須

公正証書遺言は、公証人(こうしょうにん)が遺言者から遺言の内容を聞き取り作成する、信頼性の高い遺言方式です。この作成手続きが法的に有効となるための要件として、2名以上の証人の立会が法律で義務付けられています。

証人の役割は、遺言者が自らの意思で遺言内容を述べ、それが正確に書面に反映されたことを確認し、証明することにあります。
この2人以上の証人が立ち会うことで、遺言の公正さと正確性が担保されます。

要注意!公正証書遺言の証人になれない人の条件とは

公正証書遺言の証人は、誰でもなれるわけではありません。民法で定められた「欠格事由」に該当する人は、証人としての資格がないため注意が必要です。
これは、遺言の内容に利害関係のある人物や、適切な判断能力がない人物を排除し、遺言の公正性を確保するための条件です。

具体的にどのような人が証人になれない人なのか、以下で詳しく見ていきましょう。

①遺産を受け取る予定の相続人や受遺者

現時点で相続が開始した場合に相続人となる推定相続人は、遺言によって財産を取得する予定があるかどうかにかかわらず、証人になることができません。また、遺言によって財産の遺贈を受ける受遺者も証人になれません。

遺言によって財産を受け取る立場にある「推定相続人」や「受遺者」は、証人になることができません
推定相続人とは、現時点で相続が開始した場合に法定相続人となる人のことです。
受遺者とは、遺言によって財産を譲り受ける人を指します。

これらの人々は遺言内容に直接的な利害関係を持つため、客観的な立場で遺言の成立に立ち会うことができないと判断されます。

②推定相続人や受遺者の配偶者および直系血族

遺産を受け取る本人だけでなく、その利害関係者も証人になることは認められていません。
具体的には、推定相続人や受遺者の配偶者、そして直系血族がこれに該当します。
直系血族とは、父母、祖父母、子、孫といった縦のつながりの親族のことです。

これらの人々も遺言者と近い関係にあり、遺言内容に利害関係が生じる可能性があるため、証人としての資格がありません。

③未成年者

公正証書遺言の証人には、十分な判断能力が求められます。そのため、未成年者は証人になることができません。
法律上、未成年者は判断能力が十分ではないとされており、遺言という重要な法律行為の成立に立ち会うには不適格とされています。

遺言の有効性を確実にするため、証人は必ず成年者でなければなりません。

④公証人の配偶者や四親等内の親族など

遺言書を作成する公証人と近い関係にある人物も、証人になることが禁じられています。
具体的には、公証人の配偶者、四親等内の親族(兄弟姉妹、おい、めい、いとこ等)、書記、そして使用人です。
これらの人物を証人とすると、公証人と証人の間で不当な影響を及ぼし合う可能性が否定できず、遺言の公正性が損なわれる恐れがあるため、欠格事由と定められています。

【依頼先別】公正証書遺言の証人を探す3つの方法

公正証書遺言の証人には欠格事由があるため、誰に頼むべきか悩むケースは少なくありません。
身近に適任者が見つからない場合でも、証人を探す方法はいくつかあります。
主な依頼先として、「友人・知人」「司法書士などの専門家」「公証役場からの紹介」という3つの選択肢が考えられます。

それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、自身の状況に合わせて最適な依頼先を選ぶことが重要です。

公正証書遺言の証人になれる人
民法で定める欠格事由に該当しない成年者であれば、原則として公正証書遺言の証人になれます。特別な資格は必要ありません。

例えば、利害関係のない友人や知人、弁護士、司法書士、行政書士などに依頼できます。遺言者の兄弟姉妹やおい・めいなども、推定相続人や受遺者などの欠格事由に該当しなければ、証人になれる場合があります。

ただし、家族関係によって推定相続人に当たるかどうかが変わるため、親族に依頼する場合は事前に公証役場へ確認することが安全です。

①信頼できる友人や知人にお願いする

最も身近な依頼先として、信頼できる友人や知人が挙げられます。気心が知れた相手であれば、安心して頼みやすいでしょう。費用を抑えられる可能性が高い点がメリットですが、一方で遺言という極めてプライベートな内容を知られてしまうデメリットも存在します。

また、謝礼の有無や金額について気を遣う場面も考えられるため、依頼する際は慎重な配慮が必要です。

②司法書士や弁護士といった専門家に依頼する

司法書士や弁護士、行政書士などの専門家に証人を依頼する方法もあります。
弁護士、司法書士、行政書士などの専門家には職務上の守秘義務があるため、プライバシーに配慮しながら証人を依頼しやすい点がメリットです。
また、法律の専門家として手続きを正確かつ円滑に進めてくれる安心感も大きなメリットです。

ただし、専門家への依頼には規定の手数料が発生するため、事前に費用を確認しておく必要があります。

③公証役場で中立な第三者を紹介してもらう

身近に頼める人がいない、あるいはプライバシーの観点から知人には頼みたくないという場合は、公証役場で証人を紹介してもらう制度を利用できます。
公証人が手配する中立な第三者が証人となるため、安心して任せることが可能です。

通常、紹介されるのは公証役場と提携している行政書士など、信頼できる人物です。
費用はかかりますが、確実に証人を用意できる信頼性の高い方法と言えます。

依頼先によって変わる証人費用の相場

公正証書遺言の証人を依頼する際にかかる費用は、依頼先によって大きく異なります。
友人や知人に頼む場合は謝礼として、専門家や公証役場の紹介を利用する場合は手数料や日当として支払いが発生します。
それぞれのケースで費用の相場は異なるため、事前に目安を把握しておくことが大切です。

ここでは、依頼先別の報酬や費用の内訳について解説します。

友人・知人に頼む場合の謝礼の目安

友人や知人に証人を依頼する場合、法的に定められた報酬はありません。
無償で引き受けてもらうことも可能ですが、時間や手間をかけてもらうことへの配慮として、謝礼を渡すのが一般的です。
金額の相場は5,000円から1万円程度で、これに交通費実費を加えることが多いようです。

人間関係を損なわないためにも、事前に謝礼について話し合っておくと安心です。

専門家に依頼する場合の手数料の内訳

司法書士や弁護士などの専門家に証人を依頼する場合の費用は、各事務所の規定によりますが、証人1人あたり1万円から2万円程度が目安とされています。 この手数料には、専門家としての守秘義務や責任に対する対価が含まれている場合があります。 遺言書の作成自体を専門家に依頼している場合は、証人の手数料が作成費用の中に含まれていることもあるため、事前に確認することをお勧めします。

公証役場で紹介してもらう場合の日当

公証役場で証人を紹介してもらう場合の日当は、公証役場ごとに定められています。
費用の相場は証人1人あたり7,000円から1万5,000円程度で、2人分で1万4,000円から3万円ほどが目安となります。
具体的な金額は利用する公証役場によって異なるため、事前に問い合わせて確認が必要です。

通常、この日当は遺言作成の公証人手数料と合わせて、作成当日に現金で支払います。

公正証書遺言作成当日の証人の役割と手続きの流れ

公正証書遺言の作成当日、証人は単にその場に同席するだけではありません。
遺言が遺言者の真意に基づき、法的に有効な形で成立したことを見届けるという重要な役割を担います。
当日の手順は、遺言者の本人確認から始まり、遺言内容の読み聞かせへの立会、そして最終的な署名・押印まで続きます。

ここでは、証人が関わる具体的な手続きの流れを解説します。

①公証人が遺言者が本人であることを確認する

遺言作成の最初のステップとして、公証人が遺言者の本人確認を行います。これは、印鑑登録証明書や運転免許証などの公的な身分証明書によって行われます。公証人は、遺言を作成するのが間違いなく遺言者本人であり、第三者によるなりすましなどではないことを確認します。この手続きは、遺言の信頼性を確保するための第一歩としての役割を持ちます。

②遺言内容の読み聞かせに同席する

遺言者は、証人2名の前で、公証人に対して遺言の内容を口頭で伝えます。これを「口授」といいます。
その後、公証人は作成した遺言公正証書を遺言者と証人に読み聞かせ、または閲覧させ、内容に間違いがないことを確認します。

③遺言が遺言者の真意であることを確認する

遺言書の読み聞かせが終わると、公証人は遺言者に対し、その内容が自身の真意と相違ないかを確認します。
遺言者が内容を承認すると、手続きは次の段階へ進みます。
証人はこの一連のやり取りに立ち会い、遺言者が自らの意思で遺言内容を最終的に確定させたことを証明する役割を担います。

この確認作業により、遺言の有効性がより強固なものになります。

④完成した公正証書へ署名と押印を行う

すべての確認手続きが完了した後、最終的に遺言者本人が公正証書遺言に署名と押印をします。
続いて、証人2名もそれぞれ氏名と住所を記入し、押印します。
最後に公証人が署名・押印することで、公正証書遺言は法的に有効な文書として完成します。

証人の署名・押印は、一連の手続きに正当に立ち会ったことを証明する最終的な行為であり、認印の使用が可能です。

相続の専門家探しにお困りなら「マネナビ」へご相談を

公正証書遺言の作成や証人探し、その他相続に関する手続きは複雑で、専門的な知識が求められる場面が少なくありません。
誰に相談すればよいか分からず、お困りの方も多いでしょう。

「マネナビ」では、相続に関するお悩みやご不安を整理するところから始め、必要に応じて司法書士などの専門家をご紹介するサービスを提供しています。
一人で抱え込まず、まずは一度ご相談ください。

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マネナビの相続に関するご相談事例

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実際にどのような相談があり、どのように解決の糸口を見つけているのか、具体的な事例を通じてご紹介します。
ご自身の状況と近いケースがあれば、相談を検討する際の参考になるかもしれません。

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【事例2】相続予定の実家の処分方法で悩んでいた50代男性

将来相続する予定の実家について、売却、活用、保有のどれが最適か判断できずに悩んでいた50代男性の事例です。
ご相談では、不動産相続における基本的な考え方や、手続きの流れ、税金について整理しました。
その結果、家族で話し合う際に検討すべき具体的なポイントが明確になり、次の一歩を踏み出すことができました。

【事例3】親の認知症によるお金の管理が心配だった60代女性

親の物忘れが増えてきたことで、将来の認知症やそれに伴うお金の管理に強い不安を感じていた60代女性からのご相談でした。
認知症とお金の関係についての基本的な知識や、判断能力が低下する前にできる生前の備えについて情報提供を行いました。
具体的な対策を検討するきっかけとなりました。

【事例4】老後資金に漠然とした不安を抱えていた50代男性

老後の生活資金が足りるのか、漠然とした不安を感じながらも、具体的な行動を起こせずにいた50代男性からのご相談事例です。
まずは現状を整理し、老後資金を考える上で重要な視点や、公的年金以外の資産寿命の考え方などをお伝えしました。
これにより、不安の正体が明確になり、具体的な資金計画を立てるための土台ができました。

公正証書遺言の証人に関するよくある質問

公正証書遺言の証人について、多くの方が抱く疑問点をまとめました。
身近な親族は証人になれるのか、頼める人がいない場合はどうすればよいのか、証人になることで何か責任は生じるのか、といったよくある質問に簡潔にお答えします。

Q
兄弟や甥・姪は公正証書遺言の証人になれますか?
A

結論として、証人になれます。
兄弟姉妹や甥・姪、いとこ、孫などは、遺言で財産を受け取らない限り「推定相続人」や「受遺者」ではないため、証人になる資格があります。
ただし、親族に遺言内容を知られたくない場合は、第三者への依頼を検討するのがよいでしょう。

Q
証人が2人見つからない場合、どうすればよいですか?
A

適当な証人が2人見つからない場合でも、公証役場で紹介してもらうか、司法書士や弁護士などの専門家に依頼する方法があります。
費用は発生しますが、守秘義務が守られるため、遺言内容を知られずに済みます。
確実に手配できるため、いない場合はこれらのサービスを利用しましょう。

Q
公正証書遺言の証人になった場合、何か責任を負うことはありますか?
A

公正証書遺言の証人は、遺言が遺言者の真意に基づき有効に成立したことを確認する役割を担います。遺言内容の実行や相続人間のトラブルに関して、直ちに責任を問われることは通常ありません。しかし、故意または過失により遺言に問題があることを見過ごした場合には、損害賠償を請求される可能性があります。また、遺言無効確認訴訟などで証言を求められた際に、正当な理由なく拒否した場合には、罰金や拘留といった処分を受ける可能性も考慮する必要があります。職務上知り得た遺言内容については、守秘義務を負います。

マネナビが選ばれる3つの理由

相続や老後のお金に関する悩みは複雑で、何から手をつければよいか分からなくなりがちです。
マネナビが相談先として選ばれるのには、相談者の不安に寄り添う3つの理由があります。

状況整理から始め、考えるべき順番を明確に提示

マネナビでは、いきなり具体的な対策を提案することはしません。
まずは相談者の話を丁寧に伺い、何が不安なのか、どこに問題があるのかを一緒に整理します。

複雑に絡み合った悩みを一つずつ解きほぐし、考えるべきことの優先順位を明確にすることで、次に取るべき行動が見えやすくなります。

利用者のペースを尊重した落ち着ける相談環境

お金や相続の悩みは、焦って結論を出すべきではありません。
マネナビは、過度に不安を煽ったり、特定の結論を急がせたりすることなく、相談者一人ひとりのペースを尊重します。

落ち着いて考え、納得のいく選択ができるような環境づくりを大切にしています。

家族には話しにくい悩みも相談できる専門家への窓口

相続や介護のことは、身近な家族だからこそ話しにくいテーマでもあります。
マネナビは、そうした悩みを一人で抱え込まずに済むよう、最初の相談窓口としての役割を担います。
状況を整理した上で、より専門的な判断が必要な場合には、提携する専門家へスムーズにお繋ぎします。

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まとめ

公正証書遺言の作成には、法律の要件を満たした証人2名の立会が不可欠です。
証人には、推定相続人や未成年者などがなれないという欠格事由があるため、人選には注意が必要です。
証人を探す際は、信頼できる知人に頼むほか、プライバシー保護の観点から司法書士などの専門家や公証役場の紹介制度を利用する方法もあります。

それぞれのメリットや費用を比較検討し、自身の状況に合った最適な方法で証人を選びましょう。

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記事を読んで「自分のケースではどうだろう?」と感じたら、状況を整理するところから始められます。

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