贈与税はいつ払う?申告・納付の期限と方法、遅れた場合のペナルティも解説
長谷川 毅
はせがわ たけし
- AFP(日本FP協会認定)
- 証券外務員二種
- 住宅ローンアドバイザー
【専門分野・得意分野】生命保険・ライフプランニング・相続対策
【自己紹介】保険業界22年。豊富な経験を活かし、最適なライフプランニングから円滑な相続対策まで幅広く対応いたします。
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贈与税はいつ払う?申告・納付の期限と方法、遅れた場合のペナルティも解説
財産の贈与を受けた際に発生する贈与税は、いつまでに支払い、どのような手続きで納付すればよいのでしょうか。贈与税の申告と納付には定められたタイミングがあり、期限を過ぎるとペナルティが課される可能性があります。
この記事では、贈与税を支払う具体的な期間や支払い方法、期限に遅れた場合のリスクについて詳しく解説します。
【この記事でわかること】
・ 贈与税の申告と納付を行うべき具体的な期間
・ 現金やキャッシュレスなど、状況に合わせて選べる納付方法
・ 申告・納付が期限に遅れた場合に課されるペナルティ
・ 納税額がゼロでも申告が必須となる特例の存在
贈与税の申告と納税はいつまで?基本的な期限を解説
贈与税の申告と納付には、法律で定められた明確な期間が存在します。
相続税とは期限が異なるため、混同しないよう注意が必要です。
いつまでに申告と納付を完了させなければならないのか、基本的なルールを正確に理解しておくことが重要です。
贈与税の申告・納付期間は贈与を受けた翌年2月1日から3月15日
贈与税の申告と納付は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日の間に行う必要があります。
この期間内に、贈与税の申告書を税務署に提出し、算出された税額を納付するところまで完了させなければなりません。
いつまでに対応すべきかを正しく把握し、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。
1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与が対象
贈与税の課税対象となるのは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額です。
この期間内に複数の人から財産を受け取った場合は、それらをすべて合算した金額から基礎控除額110万円を差し引いて税額を計算します。
暦年単位で集計することを覚えておきましょう。
期限日が土日祝日の場合は翌平日まで延長される
申告と納付の期限日である3月15日が土曜日、日曜日、または祝日にあたる場合は、その翌日が新たな期限となります。
例えば、3月15日が土曜日であれば、期限は次の月曜日である3月17日です。
同様に、日曜日や祝日の場合も、休み明けの平日まで期限が延長されるため、カレンダーを確認しておくと安心です。
贈与税の納付手続き|5つの支払い方法
贈与税の納付には、いくつかの支払い方法が用意されています。現金での支払いが基本ですが、キャッシュレス決済も利用可能です。それぞれの方法に特徴や利用条件があるため、自分に合った納付方法を選択しましょう。
ここでは、主な5つの方法を解説します。

【方法①】金融機関や税務署の窓口で現金納付する
国税の納付方法の一つとして、金融機関や税務署の窓口で現金納付する方法があります。納付書を持参し、銀行、信用金庫、郵便局(ゆうちょ銀行)などの窓口で手続きを行います。国税の場合、日本銀行歳入代理店である金融機関であれば全国どこでも納付可能ですが、税務署の窓口で納付する場合は、納税地を所轄する税務署でのみ手続きが可能です。地方税の納付に関しては、ゆうちょ銀行・郵便局での納付について、地域や納付書の種類によって制限がある場合があります。この方法は確実ですが、窓口の営業時間に注意が必要です。
【方法②】e-Taxを利用したダイレクト納付で支払う
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用して、指定した預貯金口座から振替で支払う方法がダイレクト納付です。この方法を利用するには、事前に税務署へ届出書を提出しておく必要があります。
自宅やオフィスから即時または期日を指定して納付できるため、時間を問わず手続きを完了させたい場合に便利です。
【方法③】クレジットカードで納付する
国税の納付は、専用のWebサイト「国税クレジットカードお支払サイト」を通じてクレジットカードでも行えます。24時間いつでも手続きが可能で、ポイントが貯まるメリットがあります。
ただし、納税額に応じた決済手数料がかかる点や、領収証書が発行されない点には注意が必要です。
利用できる税額の上限は1,000万円未満です。
【方法④】コンビニのレジで納付する(30万円以下の場合)
納税額が30万円以下の場合に限り、コンビニエンスストアのレジで納付することも可能です。
この方法を利用するには、バーコードが印字された専用の納付書が必要になります。
バーコード付き納付書は、税務署で発行を依頼するか、国税庁のWebサイトから作成・印刷して入手します。
【方法⑤】インターネットバンキングで支払う
e-Taxを通じて、インターネットバンキングやATMを利用して支払う方法もあります。
ペイジー(Pay-easy)に対応している金融機関で利用でき、e-Taxのメッセージボックスに格納される納付情報を使って手続きを行います。
手数料はかからず、金融機関の営業時間外でもオンラインで手続きを済ませられるのが特徴です。
贈与税の納付書はどこで手に入れる?
贈与税の納付書は、確定申告書を提出しても税務署から自動的に送られてくるものではありません。
納税者自身で入手し、必要事項を記入して納付手続きを行う必要があります。
入手方法は主に2つあるため、事前に準備しておきましょう。
①税務署の窓口で直接受け取る
贈与税の納付書は、全国の税務署や、税務署管轄の金融機関の窓口に備え付けられています。
所轄の税務署でなくても入手できるため、最寄りの税務署の窓口で受け取るのが最も確実な方法です。
申告書の作成や提出と合わせて入手するとスムーズに進みます。
②国税庁のホームページからダウンロードして印刷する
国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を利用して贈与税の申告書を作成し、画面上で発行されたQRコードをコンビニのマルチコピー機等で読み込ませる事で、レジ用納付書を発行する事ができます。
詳細は国税庁のホームページで確認してください。
申告・納付期限に遅れた場合に課される3つのペナルティ
贈与税の申告と納付が定められた期限に間に合わなかった場合、本来納めるべき税金に加えて、ペナルティとして附帯税が課されます。
これらの追徴課税は、申告や納付が遅れたことに対する罰則であり、金銭的な負担が増えることになります。

①本来の税額に加えて「無申告加算税」が発生する
期限までに贈与税の申告をしなかった場合、原則として「無申告加算税」が課されます。
税額は、納付すべき税額に対して、50万円までの部分は15%、50万円を超える部分は20%の割合で計算されます。
ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合は、税率が5%に軽減されます。
②納付が遅れた日数に応じて「延滞税」が課される
定められた期限までに贈与税の納付が完了しなかった場合は、法定納期限の翌日から実際に納付した日までの日数に応じて「延滞税」が発生します。
これは納税が遅れたことに対する利息のような性質を持つ税金です。
税率は年によって変動し、納付が遅れるほど金額が大きくなるため、一日でも早く納めることが重要です。
③意図的に財産を隠した場合の「重加算税」は最も重い
財産を隠蔽したり、事実を偽ったりするなど、意図的に納税を免れようとした悪質なケースでは、無申告加算税に代わって「重加算税」が課されます。
税率は申告があった場合は35%、無申告の場合は40%と非常に高く、最も重いペナルティです。
不正行為は税務調査で発覚する可能性が高く、リスクは計り知れません。
贈与税の申告漏れはなぜ税務署にバレるのか
「少額の贈与だから申告しなくてもバレないだろう」と考えるのは危険です。税務署は、様々な情報網を通じて国民の資産の動きを把握しています。贈与税の申告漏れは、時間が経過してからでも発覚する可能性が高く、その場合は重いペナルティが課されることになります。
不動産の登記情報から発覚するケース
親から子へ土地や家といった不動産の名義を変更した場合、法務局で所有権移転登記を行います。
この登記情報は税務署にも共有される仕組みになっています。
登記の際に売買などの対価の支払いが見られない場合、税務署は贈与があったと判断し、申告の有無を確認するために「お尋ね」という文書を送付することがあります。
相続税の調査の過程で過去の贈与が判明するケース
相続が発生すると、税務署は相続税の申告内容を精査するために、被相続人の過去の預金口座の動きを数年間にわたって詳しく調査します。
その過程で、使途が不明な多額の出金が見つかると、それは生前の贈与ではないかと疑われ、申告漏れが発覚するきっかけとなります。
生命保険金の支払い調書から発覚するケース
親が保険料を負担していた生命保険で、子どもが満期保険金や死亡保険金を受け取るケースがあります。
この場合、保険料負担者と受取人が異なるため、贈与税の課税対象となります。
保険会社は、受取人へ100万円を超える保険金を支払った際に、税務署へ「支払調書」を提出する義務があるため、税務署は受取の事実を確実に把握できます。
納税がゼロでも申告が必要になる特例
贈与税には、一定の要件を満たすことで非課税になる特例がいくつか存在します。
これらの特例を適用した結果、納税額がゼロになる場合でも、特例の適用を受けるためには、贈与税の申告手続きそのものは必要です。
申告を忘れると特例が適用されず、多額の税金が発生する可能性があるため注意しましょう。

①相続時精算課税制度を利用した場合
相続時精算課税制度は、原則として60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与において、最大2,500万円の特別控除を受けられる制度です。
この制度を初めて利用する際には、贈与額が控除額以下で納税額がゼロになる場合でも、必ず贈与税の申告が必要です。
申告をしなければ、制度の適用が認められません。
②住宅取得等資金の非課税特例を適用した場合
父母や祖父母から家を購入するための資金援助を受けた場合、「住宅取得等資金の非課税の特例」を適用できます。
この特例を利用すると、一定の要件のもと最大1,000万円までが非課税となります。
暦年課税の基礎控除と併用可能ですが、この特例の適用を受けて納税額がゼロになったとしても、必ず期限内に申告を行う必要があります。
③夫婦間の居住用不動産の贈与(おしどり贈与)の特例を使った場合
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用の家や土地、またはそれを購入するための資金を贈与した場合、基礎控除110万円とは別に最高2,000万円まで控除できる特例があります。
通称「おしどり贈与」と呼ばれるこの特例も、適用を受けるためには、納税額が発生しない場合でも不動産の贈与に関する申告が必要です。
贈与税に関する不安は専門家への相談で解消
贈与税の申告や納税は、様々な特例や制度が絡み合うため、専門知識がないと判断に迷う場面が多くあります。
特に、不動産の贈与や多額の現金贈与、特例の適用を検討している場合は、自己判断で進めると思わぬミスにつながる可能性があります。
不安や疑問点がある場合は、税理士などの専門家に相談することで、正確な申告と納税をサポートしてもらえ、適切な節税対策についてもアドバイスを受けられます。
相続・贈与に関する相談事例
生前の贈与や将来の相続について、何から手をつければよいか分からないという方は少なくありません。
実際に専門家へ相談することで、漠然とした不安が解消され、具体的な次の一歩が見えてくるケースが多くあります。
ここでは、実際に寄せられた相談事例の一部を紹介します。
【事例1】何から始めるべきか分からなかった親の相続準備
親の相続について、そろそろ準備が必要だと感じつつも、何から始めればよいか分からず不安を抱えていました。
専門家に相談したところ、相続の全体像や考えるべきことの順番を整理してもらえ、家族で具体的に話し合う良いきっかけを作ることができました。
【事例2】将来相続する予定の実家の処分に関する悩み
将来相続する予定の実家について、売却すべきか、活用すべきか、あるいはそのまま保有し続けるべきか、判断に迷っていました。
不動産相続の基本的な考え方や手続きの流れについて説明を受け、家族で話し合う際に検討すべきポイントが明確になり、家の今後の方針を決める一助となりました。
【事例3】親の認知症とお金の管理に関する将来の不安
親の物忘れが増えてきたことから、将来の認知症やそれに伴うお金の管理について心配していました。
相談を通じて、認知症とお金の問題に関する基本的な知識や、万が一の事態に備えて事前に準備できる対策について具体的に整理することができました。
贈与税の支払い時期に関するよくある質問
贈与税を支払うタイミングや具体的な手続きについて、多くの方が疑問を抱きます。
特に、初めて贈与税の申告を行う方は、納付書の入手方法や支払いの期限について不安を感じやすいようです。
ここでは、贈与税の支払いに関するよくある質問とその回答をまとめました。
- Q贈与税の納付書はいつ頃届きますか?
- A
贈与税の納付書は、税務署から自動的に送付されるものではありません。
確定申告とは異なり、納税者自身で申告書を作成した上で、税務署の窓口や金融機関で納付書を入手し、納税手続きを行う必要があります。申告をすれば後から届く、というものではないので注意してください。
- Q贈与税の支払いが3月15日を過ぎてしまった場合、どうすればいいですか?
- A
期限を過ぎてしまった場合でも、気づいた時点ですぐに申告と納税を行ってください。
放置すると税務署からの調査が入り、ペナルティが重くなる可能性があります。
自主的に期限後申告をすれば、無申告加算税が軽減される場合があります。一日でも早く手続きを完了させることが重要です。
- Q贈与税は分割で支払うことはできますか?
- A
贈与税は、税額が10万円を超え、一括での納付が困難であると認められるなどの一定の要件を満たした場合に限り、「延納」という形で分割払いが可能です。
延納を申請するには担保の提供が必要となり、延納期間中は利子税がかかります。
希望する場合は、事前に税務署へ相談してください。
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まとめ
贈与税の申告と納付は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに行う必要があります。
この期限に遅れると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるため、計画的に準備を進めることが重要です。
また、特例を適用して納税額がゼロになる場合でも申告は必要です。
手続きに不安がある場合や、どの特例を使えばよいか判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
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