特定障害者特別給付費とは?グループホームの家賃補助の条件・いくら・申請方法を解説

  • 公開日:2026.07.19
  • 更新日:2026.07.19
戸松 亮治
執筆者

戸松 亮治

とまつ りょうじ

  • 相続診断士®

【専門分野・得意分野】相続対策、ライフプランニング
【自己紹介】株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ 代表取締役。終活における大手金融機関とのアライアンスや新規事業立ち上げに従事。終活を進める高齢者と家族向けに、お金の不安を解消するセミナー・メディアコンテンツを企画、運営。

【所属会社名】株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ
https://www.kamakura-life.co.jp/
監修者

北野 優

きたの ゆう

【自己紹介】株式会社エイジプラス 入居相談室室長。2009年に入居相談員のキャリアをスタートしてから、延べ2万人以上の相談を受ける。「人生100年時代 失敗しない介護施設選びと介護費用の目安」「相談事例から学ぶ!失敗しない有料老人ホーム探しのポイント」など老人ホーム選びに関する数々のセミナーにも登壇。7000施設以上の紹介数を誇る。

株式会社エイジプラス
https://ageplus.jp/
いい介護
https://e-nursingcare.com/

特定障害者特別給付費とは?グループホームの家賃補助の条件・いくら・申請方法を解説

特定障害者特別給付費とは、障害者グループホームなどに入居する方の家賃負担を軽減するための制度です。
この記事では、グループホームの利用を検討している方へ向けて、特定障害者特別給付費の家賃補助の対象条件、支給額はいくらか、申請方法といった基本を解説します。
制度を正しく理解し、経済的な負担を減らしながら障害福祉サービスを利用するためにご活用ください。

特定障害者特別給付費とは?

障害者グループホームの家賃負担を軽減する制度

特定障害者特別給付費とは、障害者総合支援法に基づき、国が提供する経済的支援の一つです。
この法律で定められた共同生活援助(グループホーム)や障害者支援施設を利用する方の家賃負担を軽減することを目的としています。
現場では「補足給付」とも呼ばれています。

厚生労働省が管轄しており、低所得の方が障害福祉サービスを利用しやすくなるよう、家賃の一部を国が補助する仕組みです。

特定障害者特別給付費(補足給付)の対象となる人

特定障害者特別給付費の対象となるのは、所得の状況が一定の要件を満たす方です。
具体的には、生活保護を受給している世帯、または市町村民税が非課税の世帯に属する方が対象となります。
障害の種類や等級による要件はなく、あくまで世帯の所得状況によって給付の可否が判断されます。

①生活保護を受給している世帯

生活保護を受給している方は、特定障害者特別給付費の支給対象です。
生活保護制度では家賃分として住宅扶助が支給されますが、グループホームの家賃に対して特定障害者特別給付費が適用される場合、住宅扶助は支給されません。これは、国からの補助が重複しないように調整されるためです。

給付費は家賃の支払いに充当されます。

②市町村民税が非課税の世帯

利用者が属する世帯の市町村民税が非課税である場合も、特定障害者特別給付費の対象となります。
この場合の「世帯」とは、原則として利用者本人と配偶者を指します。
前年の所得に基づいてその年の課税状況が判断されるため、申請する際には世帯全員の所得を証明する書類が必要になる場合があります。

特定障害者特別給付費で支給される金額は月額最大1万円

特定障害者特別給付費として支給される金額は、月額1万円が上限です。
これは、対象となるグループホームや施設の家賃に対して補助されるもので、利用者の家賃負担を直接的に軽減します。
この1万円という補助があることで、所得の低い方でも安心して施設を利用し、地域での自立した生活を送りやすくなります。

家賃が1万円に満たない場合は実費分を支給

利用しているグループホームの家賃が月額1万円に満たない場合、支給額は実際の家賃額と同額になります。
例えば、家賃が8,000円であれば支給額も8,000円です。
あくまで家賃の実費分のみを補助する制度であり、家賃額を超えて差額が支給されることはありません。

上限である1万円か、実際の家賃額か、どちらか低い方の金額が適用されます。

特定障害者特別給付費の申請方法と手続きの流れ

特定障害者特別給付費を利用するためには、市区町村の窓口で手続きを行う必要があります。
申請書を提出し、支給が決定されると、受給者証が交付されます。この給付には有効期間があり、原則として毎年更新の手続きが必要です。

給付費の請求は、利用者に代わって事業者が行う「代理受領」が一般的です。

①申請窓口は市区町村の障害福祉担当課

申請手続きを行う窓口は、お住まいの市区町村の役所にある障害福祉担当部署です。
名称は「障害福祉課」「障がい者支援課」など自治体によって異なります。
東京都、名古屋市、神戸市といった大都市でも、手続きは区役所などの基礎自治体が担当します。

申請を検討している場合は、まずはお住まいの地域の担当窓口に問い合わせてみましょう。

②申請に必要な書類の一例

申請の際に必要となる書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下のものが求められます。
支給申請書
収入や資産状況がわかる書類(課税証明書、年金振込通知書、預貯金通帳の写し等)
生活保護受給証明書(該当者のみ)

グループホームの賃貸借契約書の写し
事前に担当窓口へ連絡し、必要な書類を正確に確認してから準備を進めることが重要です。

③事業者が本人に代わって給付費を受け取る「代理受領」が基本

特定障害者特別給付費は、利用者に直接現金が支払われるのではなく、サービス提供事業者(グループホームなど)が本人に代わって受け取る「代理受領」という方式が基本です。
事業者は、国保連(国民健康保険団体連合会)に給付費を請求し、受け取った給付費を家賃に充当します。
利用者は、家賃の総額から給付費を差し引いた差額分のみを事業者に支払います。

混同しやすい「特別障害給付金」との違いを解説

特定障害者特別給付費と名称が似ている制度に「特別障害給付金」がありますが、これらは全く別の制度です。
特定障害者特別給付費が、グループホーム等の家賃負担を軽減する「福祉サービス」であるのに対し、特別障害給付金は、国民年金に任意加入していなかったことで障害年金を受給できない障害者を対象とした「年金制度」の一種です。
目的や根拠法、対象者が異なるため混同しないように注意が必要です。

なお、「特例特定障害者特別給付費」という制度もありますが、これは特定の経過措置対象者に関するものであり、対象者は限定的です。

特定障害者特別給付費に関するよくある質問

特定障害者特別給付費について、特に多く寄せられる質問にお答えします。
令和6年現在、制度の基本的な仕組みに大きな変更はありませんが、申請手続きの詳細はお住まいの自治体にご確認ください。

Q
給付費は利用者に直接支払われるのですか?
A

原則として利用者に直接支払われることはありません。
事業者が利用者に代わって給付費を受け取る「代理受領」が基本です。
受け取った給付費は家賃に充てられ、利用者は家賃から補助額を差し引いた金額を支払います。食費や水道光熱費は給付の対象外です。

Q
申請すれば誰でも給付を受けられますか?
A

誰でも受けられるわけではありません。
対象は、生活保護を受給している世帯、または市町村民税が非課税の世帯に限られます。
所得要件を満たしていることが絶対条件です。

また、長期入院などでグループホームの家賃が発生しない期間は、給付の対象外となる場合があります。

Q
グループホーム以外の施設でも対象になりますか?
A

はい、グループホーム(共同生活援助)以外にも対象となる障害福祉サービスがあります。
具体的には、障害者支援施設での施設入所支援や、宿泊型の自立訓練、就労移行支援などが対象です。

これらのサービスを利用する際の居住にかかる費用(家賃)が補助の対象となります。

まとめ

特定障害者特別給付費は、障害者グループホームや入所施設を利用する低所得の方の家賃負担を、月額最大1万円補助する制度です。
対象者は生活保護受給世帯または住民税非課税世帯で、申請は市区町村の障害福祉担当窓口で行います。
給付費は事業者が代理で受け取り家賃に充当されるため、利用者は差額分を支払う仕組みです。

対象となる可能性がある場合は、まずはお住まいの自治体窓口に相談してください。

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